UnitedHealthcare、事前承認要件を30%削減へ 10月から幅広い保険プランで実施

UnitedHealthcareが2026年10月1日から、残る事前承認要件の30%を撤廃します。対象は商業保険やMedicare Advantageなど幅広く、循環器、検査、リハビリ、整形外科関連なども含まれます。医療現場の事務負担と治療遅延の軽減につながる可能性があります。

UnitedHealthcareが事前承認を大幅削減

米国の医療保険大手UnitedHealthcareは、2026年10月1日から事前承認(Prior Authorization)の要件を30%削減する。

対象となるのはCommercial、Medicare Advantage、Community Plans、Individual Exchange、Oxfordなど複数の保険プランで、同社はプランごとに対象となるコードを公開した。

今回の変更は、医療従事者にかかる事務作業を減らすと同時に、患者の診療を遅らせる可能性のある障壁を取り除くことを目的としている。

「事前承認」が医療現場の負担に

事前承認とは、特定の治療や検査、薬剤などを実施する前に、保険会社から保険適用の承認を得る仕組みだ。

医療費を適切に管理するために利用されている一方、医療機関側では申請書類の作成や保険会社とのやり取りが必要となり、承認を待つことで患者の治療開始が遅れる可能性もある。

そのため、事前承認をどこまで必要とするかは、米国医療における大きな課題の一つとなってきた。

今回の30%削減が実施されれば、対象となる診療についてはこうした承認プロセスそのものが不要になる。

循環器からリハビリまで幅広く対象

削減される事前承認要件は、特定の診療領域だけに限定されない。

記事によると、循環器領域、遺伝子検査・臨床検査、カイロプラクティック、理学療法、作業療法、言語療法、整形外科・筋骨格系の処置などが対象に含まれる。

UnitedHealthcareは2026年5月の段階で、年末までに残っている事前承認対象サービスの30%から要件を撤廃する方針を示していた。

今回の発表は、その方針を具体的に実施するものとなる。

患者にとっては「治療までの時間」が重要

事前承認の削減による影響は、医療機関の事務作業だけではない。

患者にとって重要なのは、医師が必要と判断した検査や治療を受けるまでのプロセスが短くなる可能性があることだ。

事前承認が必要な場合、医療機関が保険会社へ申請し、承認を得てから治療へ進む必要がある。追加資料や確認が求められれば、さらに時間がかかることもある。

対象サービスからこの手続きがなくなれば、医師の判断から実際の診療までをより直接的につなげられる可能性がある。

農村部では別の免除プログラムも

UnitedHealthcareは、事前承認そのものを削減するだけでなく、対象となる農村部の病院と関連医療従事者に向けた事前承認免除プログラムも予定している。

こちらは2026年11月1日から開始される予定だ。

医療従事者が限られる地域では、診療以外の事務作業が現場の負担となりやすい。事前承認プロセスの簡素化が進めば、限られた人的資源を患者の診療へ振り向けやすくなる可能性がある。

保険会社と医療現場の関係は変わるか

今回の変更で注目されるのは、単純に「30%減る」という数字だけではない。

事前承認は、保険会社による医療費管理と、医師による迅速な診療の間に存在する仕組みでもある。

その対象を大幅に減らすことは、保険会社が医療利用を管理する方法そのものが変化し始めていることを示している。

一方で、今回撤廃されるのはすべての事前承認ではなく、残る要件の30%だ。対象外となる治療やサービスでは、引き続き事前承認が必要となる。

それでも、米国最大規模の保険会社による大幅な要件削減は、医療従事者の事務負担や患者の治療アクセスをめぐる問題に対する大きな動きといえる。

実際に10月以降、医療機関の業務負担や患者が診療を受けるまでの時間にどの程度の変化が生まれるのかが注目される。

出典

Medical Economics
UnitedHealthcare drops 30% of prior authorization requirements; more U.S. newborns are going without vitamin K; gaming addiction linked to elbow pain in medical students

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