糖尿病性足潰瘍は世界的な課題

糖尿病性足潰瘍は世界的な課題

糖尿病患者の増加に伴い、糖尿病性足潰瘍(Diabetic Foot Ulcer:DFU)は世界的な医療課題となっている。

Swanson医師によると、糖尿病患者のおよそ3人に1人が生涯のうちに足潰瘍を経験するとされ、米国では年間約160万~200万人が発症しているという。

そのうち約50~60%は感染を伴い、最大20%が下肢切断に至る可能性がある。また、「30秒ごとに新たな糖尿病性足潰瘍が発生し、約3分半ごとに糖尿病関連で足の切断が行われている」という深刻な現状も紹介された。


患者の生活の質(QOL)にも大きな影響

糖尿病性足潰瘍は、傷そのものだけではなく患者の日常生活にも大きな影響を及ぼす。

痛みや感染創特有の臭い、頻繁な創傷処置、通院、装具の装着などが日常生活の負担となり、生活の質(QOL)は著しく低下する。

さらに切断に至った場合には、歩行や仕事、社会生活などへの影響が加わり、患者がこれまで当たり前に送っていた生活を大きく変えてしまう可能性がある。

Swanson医師は、こうした深刻な状態へ進行する前に治療介入することが最も重要だと強調している。


傷だけではなく患者全体を診ることが重要

糖尿病性足潰瘍は、創傷だけを治療すれば解決する疾患ではない。

糖尿病のコントロール、肥満や心血管疾患などの併存疾患、創部への荷重など、多くの要因が治癒を妨げるため、患者全体を包括的に評価する必要がある。

また、従来の再建外科的治療だけでは十分な治療効果が得られないケースも少なくなく、新たな治療法の開発が進められている。


プライマリ・ケア医が果たす重要な役割

Swanson医師は、プライマリ・ケア医こそが糖尿病性足潰瘍診療の中心的な存在であると述べている。

創傷治療だけではなく、糖尿病管理や併存疾患の治療、多職種との連携など、患者全体を調整する役割を担うことが転帰改善につながるという。

また、傷の悪化は非常に早く進行する可能性があるため、創傷専門医、足病医、血管外科医などへの早期紹介も重要となる。

創傷が4週間経過しても十分な改善が認められない場合には高度治療の検討が必要となるため、その時点で迅速に対応できるよう、初期段階から専門医療機関との連携体制を構築しておくことが望ましいとしている。


出典

Medical Economics
From wound to amputation: A physician explains why diabetic foot ulcers demand urgent attention

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次